2013-12-31

曇りのち雨と雪 ごく時々晴れ。









晴れたり曇ったり、雨降ったり、雪降ったり。

常に変わる能登の天候のような
そんな一年でした。


来年もまた、そんなでこぼこを楽しみたいです。





2013-12-11

能登での狩猟のこと 

先週の土曜日に家から能登半島おらっちゃの里山里海主催の「能登の狩猟を学ぼう!」に参加しました。

ここ数年、能登半島の先っちょ珠洲でも、シカやイノシシが目撃さてれいます。能登半島にはこれらの大型の哺乳類はこれまで生息していませんでした。

このような獣害の問題や、また能登のこれまでの狩猟文化などを勉強する貴重な体験となりました。

珠洲市に設置してあるイノシシ用の罠



珠洲で長年狩猟されている伊吹さんが、狩猟に使う道具と
カモの解体方法を教えてくれました。

大盛りのカモ肉。鍋にして食べることに

にんにくで炒めたシカ肉(奥)とイノシシ肉(手前)臭みもなく美味しい。




「カモは生でも食えるぞ」

と伊吹さんが進めてくれました。薬味なしで醤油に付けてから生のカモ肉を口に入れると、とろけるように美味しい。新鮮なのだからでしょうか、臭みもなく油の乗った馬刺しのようです。シカ肉はややたんぱくですが、臭みもありません。イノシシ肉はもう豚肉ですね、油がのっていて白いごはんが進みます。

伊吹さんは「狩猟は面白いから、ぜひ若い人にもやってほしい」と言われていました。生きた動物を捕獲し、殺し、食べるという行為に「面白い」の表現は以外と思われるかもしれません。しかし、身構えて聞いていた僕には、その拍子抜けするような、あっさりとした表現の中に、獲物を捕って食べるという「あたりまえのこと」というリアルな世界が見えた気がしました。

自然に恵まれた田舎で生きている自分の取り巻く「とってたべる」の環境は、都会に比べると、大なり小なり日常の出来事です。

今回は沢山の美味しい肉を頂きました。自然に囲まれたこのような「生と死に近い場所」で、自分が今暮らせていることに幸せを感じました。




2013-12-06

そこにあるものへの感謝


能登半島には農耕儀礼アエノコトという祭事があります。田んぼの神様に感謝と労いの気持ちを、目に見える形として残してきた文化です。

ユネスコの世界無形文化遺産に指定されている祭事ですが、元々は能登の農家誰しもが行っていた、ごくごく当たり前の行事でした。

12月5日に田んぼの神様を家にお迎えし、約2ヶ月の間農家の家で休んでもらい、2月9日(一部地域11日)にまた田んぼに神様をお送りします。この祭儀の基本的な形式は、神様をお迎えして、暖をとってもらい、お風呂にお連れし、食事をもてなす、という形で行われます。






各農家の家庭の事情や、生活レベルの違いなど、そういう事は当然有りますから、それぞれでもてなしの仕方は違いが有ります。あくまでもその家の家長が思う、最高のもてなしを、田の神様に行うのことがアエノコトです。






田んぼで稲作をし、美味しいお米が食べられる喜び。日々の感謝の気持ちが見える形となった、とてもわかり易くシンプルなこのアエノコト。そんなアエノコトを私は好きです。

あって当然、当たり前、というものはこの世に存在しません。かって人が関わる多くの場に、沢山の異なる神が存在すると信じていた日本という国は、感謝するという気持ちを大切にした民族だったのかもしれません。





2013-12-01

残してあげたいもの


ポストを見ると地元の小学校から届いた封筒が。中を開けると、子供達が書いた感想文が入っていました。この間小学校の授業で、私が特別講師としてお話しした時の感想が、そこにはぎっしりと書かれていました。





珠洲市の小学校は人口減少と共に合併される学校が多く、1学年1クラスは珍しくない状況です。授業では、珠洲に来た切っ掛け、珠洲の里山里海の美しさ、伝統の奥深さ、そんな事を語り、さらに「受け継がれてきたもの、語り継がれてきたもの」が今なくなろうとしている事、この地で「なんでもない風景や風習」が、外の人達、外国の人達に注目を集めている事などを話しました。





ほとんどの子供達は中学卒業、高校卒業を期に、珠洲を離れて行きます。昔は珠洲にいても、十分暮らして行ける時代がありましたが、今は変わってしまいました。地方の今の現状を親として見れば、そとの世界へ言って何に不自由なく暮らしてほしいと願う事は、しごく真っ当な想いだと思います。

せめて彼らが大人になった時に、珠洲の良さを声を大にして語れるようになってくれれば、との想いもあり講義をしました。




頂いた感想文には沢山の言葉があふれていました。
全部は紹介出来ませんが、一部書き出してみます。


「珠洲市の良さを知らない人に教えてあげたいです」

「私はこんなこんな景色のいい自然のある場所に生まれてよかったと思いました」

「もう一度珠洲のすてきな場所を見つけようと思いました」

「大人達がいなかに住みたいということを聞いて、すごくうれしかったです」

「キリコがある珠洲に生まれて良かったなぁと思いました」

「いま都会に憧れてるけど、実際に行ってみたら、ここの良さがわかるのでしょうか」

「一番珠洲で好きなことは祭りです。みんなの心が一体になって楽しいから」



今回伝えた事が、頭の片隅に少しでも残ってくれれば良い思います。代々この地に受け継がれて来たものを、どういう形で次の世代へ残してあげられるかを考える...、だけではなく、そろそろ何か実行に移さなければいけない時期に来ています。







2013-11-18

秋の色さがし



今年の秋は雨が多く、青空の下で紅葉を楽しむ機会があまりありませんでした。

久々に晴れた日曜日。
カメラを持って現地に着くと、もくもくとグレーの雲が覆い始めました。






木の上の葉を眺めるのをやめて地面を見てみると
そこにも紅葉の色が広がっていました。





葉はその役目を終え、空を舞い、地面に落ち、花にも負けない色を咲かせます。
そんな当たり前の光景の中に、小さな感動があります。







2013-11-08

フランスの田舎から珠洲へ




「急なお願いですが、お会いできますか?」


Couchsurfingを通してメールをが来たのが先週のこと。そして先日、珠洲の我家にやって来た、GuillameさんとLaureneさん。なんでも3週間前に日本に来て、車であてもなく旅をしてるそうです。




なぜ、能登しかも珠洲に来たかというと、日本の自然や里山を見たかったから。今回の旅では一切、東京などの都市部には行かないとのこと。そして彼らもまた、フランスの田舎で暮らすIターンな人々だったのです。

一泊と半日のガイドの中で、沢山の話をしました。田舎での暮らし、自然、オーガニック、人々の価値観など。




「これからの時代は、田舎での暮らしにスポットライトがあたる気がするんだ」


前触れもなく彼が発した言葉に、私は驚いてしまいました。まさに自分も、確信があるわけでもないのですが、世の中の流れが今後そういう方向に進むのではないか、と思っていたので、国が違えどそのような同じ考えの人が目の前に居ることに、驚いてしまったのです。

日本の田舎が大好きな彼らは、日本で暮らしてみたいという夢があるそうです。ぜひぜひその時は、珠洲に来てほしいと思いました。







2013-11-04

Max Lamb 組木テーブル作り


自宅と仕事場の境界線が曖昧な我家に、はっきりとしたオフィスを作りたい!っと思いつつ、重い腰が上がらない日々を過ごしていた時、お知り合いの輪島塗の木地屋さん、四十沢さんから、ナイスなタイミングでワークショップを行うとお知らせが来ました。

英国のデザイナー、マックス・ラムさんが輪島にて、誰にでも作れるテーブル作りの講座を開いてくれました。使う材料はホームセンターで安く売られている、角材。その、角材を使ってテーブルを作ってしまいましょう、っというワークショップでした。



まずはみんながどんなテーブルを作りたいか案を出し合いました。
決まったデザインを形にすべく、マックスさんが
角材をどの長さに切るか調整してくれました。



使う材料は2メートルの角材6ピースで¥1,000程度のものと釘のみ。
道具は、のこぎり、電動ドリル、紙ヤスリ程度。



角材をつなぎあわせ天板を作りました。
天板は隙間もなく、ヤスリがけすると一枚板のように。




最後に脚をくっつけて、ガタつきを調整したら丈夫なテーブルが出来ました。
完成したテーブルを前に皆さんから「おぉ〜!」と歓声が。



マックスさんは、高価な材料、難しい技術ではなく、自由な発想で、簡単に手に入れられる材料で作る家具、を提唱するワークショップを、世界各地で行っているようです。

あの角材で、最終的にこんなに素晴らしいテーブルが出来てしまう事に、とても驚いてしまいました。自分の中では「家具=職人」という考えがあったのですが、それはマックスさんのワークショップを受けたことにより、瞬時にして切り替わってしまいました。

この興奮が残るうちに、早く自分の設計したテーブルを作りたいなと思います。




2013-10-28

秋の宝立山へ



長い雨の日が続き、今日は久々に青い空をみました。
天気が良いので、夕方にカメラを持って宝立山に行ってきました。






今年はちょっと色づきが悪い印象です。
我家の裏のイチョウの木も、ことしは鮮やかな色になりません。


もう少し日にちをおいて、また見に行こうと思います。






2013-10-23

移住:これまでと、これから





最近このブログの更新が滞ってきています。正直に言いうと、移住してから5年が過ぎ、自分の中では日々の出来事が「移住生活」ではなく、「日常の生活」に変わろうとしています。珠洲へ移住を考えた当初、移住体験を外へ発信している情報がなく、珠洲へ移住することが想像しづらいと思いました。そんな経験から、移住した際は「珠洲から」の情報を自分が発信しようと思い、このブログを初めました。

移住生活も自分の成長とともに、起伏がなくなり、落ち着いた生活へとシフトしていきます。しかし、これから移住を考えている人が一番欲しい情報とは、起伏の多いハプニングや、それを乗り越えた体験談ではないでしょうか。そういった飾らないリアルな体験記こそ、自分に当てはめた時、はたして自分なら大丈夫だろうか?そんなに甘くはないな、などと想像するのではないでしょうか。

上記のようないろいろな事を考えるうちに、5年近く書いたし、一旦このブログを辞めようかと思うようになりました。しかし、移住をした方、これからしたいと考えてる方から、「見てますよ」という言葉を最近でも聞くことだ多々有り、やはり簡単にやめてはいけないな、と感じています。

戦後の高度成長期が遠い昔の出来事とされ、人々の価値観はモノの豊かさから、ココロの豊かさにシフトしつつあります。交通と通信のインフラの発達は、土地と人の距離という感覚を変えてゆき、都会なら出来て、田舎だから出来無い、という今までの当たり前な考えを少しずつ変えてゆきます。

そんな世の中で、「田舎暮らし」はもっと見直されるべきなのではと思います。石川県は統計的に割り出された幸福度ランキングで3位にもかかわらず、移住者対策が遅れ、実際に移住される人も、他の県にくらべまだまだ少ないのが現状です。しかし、来年の新幹線の開通を基に、もっと交流人口を増やそうという取り組みの中に、「移住」というキーワードも入っているようで、若干ですが明るい兆しが見えてきました。

話が脱線したのですが、いろいろな世の中の動きがある中で、もう少しブログを続けてみようかと思ったわけです。能登は移住する場所として素晴らしい土地ですし、場所としての魅力はまだまだ伝えきれてない気がします。

今まで通り、なんでもない能登の日常をお伝えしつつ、移住希望者にも役立つような情報を、「これまでとこれから」をキーワードに「移住のココロエ」のラベルで、移住に関した事を、少しづつ発信していこうと思います。








2013-10-13

古川商店 古川ビルとパン工場の想いで



「古川のビルを映像として想いでに残してほしい」

そんなお願いを7月頃、古川真美さんに頼まれました。
ビルが解体される前に、古川商店のいつもの日常を撮影しました。




この光景はもう見ることは出来ません。

街のパン屋にしては、ちょっと変わってたけど
どこか温かみがあった古川ビル。

生まれ変わった姿が見れるのは来年になります。





2013-10-02

はざ干しと里山の風景



朝晩は冷え込むようになり、山の上は僅かに紅葉の気配がします。
上黒丸の北山へ行ったら、美しい里山の風景がありました。








時折通り抜ける風は秋の香りがします。






2013-09-25

NOTO 里山と里海を学ぶ旅


毎年行っている田植えと稲刈りのツアー。今回も東京からノラ・ガールズが来てくれました。皆さん、リピーターの参加者で、もう稲刈りも手慣れたもんです。








今回は稲刈りにプラスして、お魚ワークショップも行いました。

里山以外に能登の里海も知ってもらいたくて、早朝に蛸島漁港の競りを見学
その後に、里山里海自然学校に移動し、魚の捌き方を習いました。









最後は捌いた魚をみなさんで美味しく頂きました。


東京へ戻っても、ちょっと心の片隅に「能登時間」が残ればいいな
そんな企画をこれからも続けていきたいと思います。