先日、連載しているコラムの取材で藁細工職人にお会いして来ました。
珠洲で藁細工を作っている藪下さんです。
以前からツアーや商品製作でお世話になっていたのですが
今年に入ってお顔を拝見するのは初めてでした。
お会いして話が始まると
いつもと変わらず、とてもお元気な御様子でした。
藁細工以外に藪下さんは、自身が子供の頃の珠洲の風景や出来事を絵にしています。
藪下さんは、自身の記憶を頼りに、能登の歴史を伝える
沢山の貴重な絵を記録として残されています。
昔、田んぼに使う溜池の水が不要になった時期
水を抜いて村人皆で、身動きの取れなくなった魚を獲って食べました。
昭和10年頃の能登の台所。
スイッチをひねれば火が付き、蛇口をひねれば水が出る
そんな現代とはまるで別世界
調度良い不便さが、そこにあったのかもしれません。
耕うん機もトラクターもない時代。
牛と人間が一緒に働いています。
冬の間せっせと作りためたひょうたん細工。
「コレを使って何かしてくれんか。」
と前々からお願いされていたので、何かやることになりました。
ところでこのひょうたんの表情
どこかシュールでステキ過ぎです。
「いつ死ぬかわからんし、なんもいらん」
っといつも私に言っている85歳の藪下さん。
「そういうこと言ってる人が、一番長生きしますよね」
っと私が言うと、ワハハっと笑っていました。
藪下さんの描く昔の思い出の世界。
それは私にとって、まるで何か新しい日常の世界に映ります。
そんな昔の能登の生活や、思い出話を聞かせてもらうと
なぜだか、とてもワクワクしてしまうのです。
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