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2015-02-10

伝える力


吹雪のある日、珪藻土コンロを生産する能登燃焼器工業へおじゃまさせて頂きました。案内をしてくれたのは舟場さん。東京で公務員の仕事をしていたのですが、父親の後を継ぐべく数年前に30代の若さで珠洲へ戻って来た方です。

珪藻土コンロは昔、珠洲を代表する主力産業で、法人、個人問わず珠洲のいたるところで生産されていました。人々の火の扱いが、炭からガスへ移るとともに生産量が減り、珠洲でコンロを生産する会社は今では数社を残すのみとなっています。

最初に舟場さんは珪藻土の採掘場である坑道へ案内してくれました。迷路のような暗い坑道の奥深く、黙々と珪藻土の壁を削る職人がいました。職人は一人、槍の様な長いノミを使い珪藻土の壁を四角く削っています。誰もいない暗い坑道でザクッ、ザクッという音を響かせ一人黙々と作業する職人の後ろ姿が印象的でした。





坑道を出ると舟場さんのお父さんが、坑道から削りだした珪藻土の固まりを整形していました。機械で丸くされた珪藻土の固まりを、感覚だけで整えていきます。底の接地面は平らでないと商品にした際に傾いてしまうのではと疑問に思いお伺いしたら、「感覚で水平にする」と答えが帰ってきました。船場さんのお父さんは、平らなノミを取り出すと、チョコレートを削るようにザクザクとコンロの底を平らに整えていきます。

「ここまで出来るようになるには30年はかかる」

お父様が言われたその言葉には、18才からこの道に入り、40年以上休みなく働いてきた職人の重みがありました。


 様々なコンロの形に合わせ沢山の種類のノミがあります。



整形後は窯で焼かれ、金具で補強すると珪藻土コンロに仕上がます。暗い坑道の中で発掘されるかのように切りだされるプランクトンの化石、珪藻土。その珪藻土の塊を地上へと掘り出し、再び命を吹きこむように成形して形作られた珪藻土コンロ。こんな行程をたどり一つのコンロが出来上がる事に驚きを感じます。

今の時代だからこそ、1つのモノが完成するまでのものがたりをしっかりと伝えることが重要視され、こうした古くからあるモノ作り産業も再び陽の目を見ることに繋がるのかもしれません。



2014-12-04

昔ながらの魚屋さん

先日「素敵なお店を見つけた!」と古川商店の真美さんから連絡が来ました。古川商店のカタログ製作に伴い、素材イメージを探していたのですが、良い被写体が見つかったようです。

さっそく珠洲の中心街、飯田町にあるそのお店に行ってみました。お店は魚屋さんで、外には藁紐に串で刺された干物がたくさん吊るされていました。外からお店を覗いていると小柄なおばあちゃんが出てきました。





朝採れた魚をその日のうちに捌いて干物にするそうです。気温が20度以上になると干物は作らないんだよ、そうお店のおばあちゃんは言っていました。



魚屋に嫁いでもう60年近くになるというおばあちゃんは、昔ながらのやり方で今でも干物を作っています。

家に帰り、おばあちゃんの作った干物を食べてみたら、絶妙な塩加減でとても美味しく驚きました。まだまだ珠洲には隠れた面白いスポットがありそうです。





2014-08-12

能登の夏



先日は東京からお客さまが来て、能登をご案内しました。能登にはまっている農楽女子の方々。田植え、稲刈りだけでなく、夏の能登も見てみたいという事で、今回は夏を満喫する能登の旅となりました。

旅の行程はこんな感じです。

田んぼ観察 → しおカフェ → 小さなおうち(ランチ)
木ノ浦の海水浴場(シュノーケリング) → 海と夕陽を眺める
かつら寿司で旬のノドグロを堪能する → 黄金岩牡蠣の漁師に話を聞く
大きな大きな黄金岩牡蠣を食べる → ハイディワイナリーを尋ねる(門前)

を二日間で巡りました。












ノドグロの旬は冬ではなく夏だそうです。
黄金岩牡蠣は夏しか食べれないプレミアムな天然岩牡蠣です。

透き通った海にも潜ると、小魚やウニ、サザエが見えました。
夕日を前にしばし皆無言になる時間が新鮮でした。

贅沢な場所
贅沢な時間

能登の夏は魅力が沢山です。





2014-02-18

とんとんとん「食堂 小さなおうち」



珠洲のダウンタウン、飯田町に去年秋に出来た食堂に行ってきました。

名前は「食堂 小さなおうち」

場所は、飯田町の乗光寺の向い。
駐車場は乗光寺の駐車場を使用できます。

店主は珠洲の移住仲間でもある中谷さん。

中谷さんはホテルの厨房で働いてた経験や
青年海外協力隊として、アフリカで料理を作っていた経験があったりと
かなり面白い人物です。




古い家をそのまま食堂として使用しています。
懐かしくそして新しい、そんな感じのお店です。


注文が終わり待っていると
台所(調理場)から、どこか懐かしいような、そんな調理の音が聞こえてきます。
お知り合いということも有り、特別に調理場を覗かせてもらいました。

中谷さんが、注文から調理まで全部一人でやっています。
なので、一気に人が来ちゃうとちょっと大変そうです。



山のもの定食を頼みました。
地域の食材を使っていて、ちょっとエスニックに味付けにされています。

とても食材の味が生きていて、美味しい。
となりの方が食べていた、魚のフライ定食も美味しそう。





なんだか誰かの家に遊びにいって

「ちょっとお腹すいた〜」
「はい、んじゃ私がとびきり美味しいの作るね!」

そんな会話が聞こえてきそうな食堂でした。


とんとんとん
一人で厨房に経つ中谷さんの姿が
彼女の料理に対する世界観を語っているようでした。





「食堂 小さなおうち」

営業日:木、金、土曜日
営業時間:11時30分〜夕方

定食は当日朝10時までの予約制
軽食は予約なしでも注文可

TEL 0768-82-0151


2014-02-13

里山と雪景色

世間では寒波と言われているのですが、今年の能登は雪が少なく拍子抜けしています。雪が少ないと言っても、珠洲の桃源郷、洲巻には冬景色満開な風景が広がっていました。農耕儀礼アエノコトの「田の神送り」の撮影の合間に、里山の冬景色を撮影してきました。









珠洲へ移住してもうすぐ6年
能登の冬は寒いですが、里山の雪景色には心癒されます。






2014-01-23

珠洲のチベット、さらにその奥にシャングリラ



珠洲広報に毎月書いているフォトエッセイの取材で、珠洲のチベットと云われる上黒丸地区の、さらに奥の奥、里山シャングリラな集落の洲巻に行きました。この場所は珠洲の中でも積雪が多く、私の住む地域と比べると、まるで同じ珠洲とは思えなほどの景色が広がっています。

築三百年以上経つお屋敷の主にお会いし、ちゃっかりお昼までごちそうになってしまいました。





10軒ほどの家があるだけの小さな集落ですが
とても美しい場所で、私のお気に入りの場所でもあります。




お年寄りの方とお話しながらの食事は、お互いにとても楽しい時間。昔の話を聞くと、目をキラキラさせて、お話をしてくれます。「今度はごちそうを用意しておく!」と言われたので、遠慮なく遊びにゆくことにしたのでした。

2013-12-06

そこにあるものへの感謝


能登半島には農耕儀礼アエノコトという祭事があります。田んぼの神様に感謝と労いの気持ちを、目に見える形として残してきた文化です。

ユネスコの世界無形文化遺産に指定されている祭事ですが、元々は能登の農家誰しもが行っていた、ごくごく当たり前の行事でした。

12月5日に田んぼの神様を家にお迎えし、約2ヶ月の間農家の家で休んでもらい、2月9日(一部地域11日)にまた田んぼに神様をお送りします。この祭儀の基本的な形式は、神様をお迎えして、暖をとってもらい、お風呂にお連れし、食事をもてなす、という形で行われます。






各農家の家庭の事情や、生活レベルの違いなど、そういう事は当然有りますから、それぞれでもてなしの仕方は違いが有ります。あくまでもその家の家長が思う、最高のもてなしを、田の神様に行うのことがアエノコトです。






田んぼで稲作をし、美味しいお米が食べられる喜び。日々の感謝の気持ちが見える形となった、とてもわかり易くシンプルなこのアエノコト。そんなアエノコトを私は好きです。

あって当然、当たり前、というものはこの世に存在しません。かって人が関わる多くの場に、沢山の異なる神が存在すると信じていた日本という国は、感謝するという気持ちを大切にした民族だったのかもしれません。





2013-11-18

秋の色さがし



今年の秋は雨が多く、青空の下で紅葉を楽しむ機会があまりありませんでした。

久々に晴れた日曜日。
カメラを持って現地に着くと、もくもくとグレーの雲が覆い始めました。






木の上の葉を眺めるのをやめて地面を見てみると
そこにも紅葉の色が広がっていました。





葉はその役目を終え、空を舞い、地面に落ち、花にも負けない色を咲かせます。
そんな当たり前の光景の中に、小さな感動があります。