2014-12-22

灰色の中に


前回の冬は拍子抜けするぐらい雪が降らず楽に過ごせたのですが、今シーズンはそう楽ではなさそうな兆しです。12月中旬に除雪車が何度か出動するようなことは、移住して以来初めてかもしれません。




北陸の冬は灰色の空が数ヶ月、毎日続きます。東京では冬の寒い日でも、太陽が照ることはよくあることですが、こちらでは滅多にありません。そして、地元の人々でもこの灰色の世界に心が滅入る人も少なからずいるようです。

そんな中でも外に出かけてみると、冬は冬の美しさがあることに気づかされます。一面真っ白の世界に赤い実をぶら下げる柿の木、荒れ狂う冬の日本海の波しぶき、また、吹雪にその幹を揺らす森の木々でさえ、美しいと感じます。

視点を変えるとこんなにも世界が広がり、どんよりとした灰色の世界でも、探すとキラキラと光るものが落ちています。

閉じ困らず、まずは外へ出ないと始まりません。



2014-12-04

昔ながらの魚屋さん

先日「素敵なお店を見つけた!」と古川商店の真美さんから連絡が来ました。古川商店のカタログ製作に伴い、素材イメージを探していたのですが、良い被写体が見つかったようです。

さっそく珠洲の中心街、飯田町にあるそのお店に行ってみました。お店は魚屋さんで、外には藁紐に串で刺された干物がたくさん吊るされていました。外からお店を覗いていると小柄なおばあちゃんが出てきました。





朝採れた魚をその日のうちに捌いて干物にするそうです。気温が20度以上になると干物は作らないんだよ、そうお店のおばあちゃんは言っていました。



魚屋に嫁いでもう60年近くになるというおばあちゃんは、昔ながらのやり方で今でも干物を作っています。

家に帰り、おばあちゃんの作った干物を食べてみたら、絶妙な塩加減でとても美味しく驚きました。まだまだ珠洲には隠れた面白いスポットがありそうです。





2014-11-27

NEW OFFICE



先日やっとの事で自宅の一室に事務所を構えました。今までは寝室件仕事部屋という環境で仕事をしていました。仕事としては机とパソコンがあればできる職業なのですが、打ち合わせの時や、取材に対応した時の見栄えの悪さに、なんとかしなくては...と思いつつも時が経ってしまいました。

この部屋は元々八畳の畳の部屋で、引っ越してから今まで使われていませんでした。その畳を全部剥がし、床をかさ上げして、ニシアワーで購入したアウトレットの杉板を貼り付けました。ここまでの作業を自分でやろうと思っていたのですが、時間と手間のことを考えて、最終的にシルバー人材センターに頼みました。材料だけこちらで用意し、引退した腕の良い元大工さんが短期間で作ってくれました。結果料金も安く済み、なんで早く頼まなかったんだろう?と少し後悔したほどです。

テーブル、椅子(ベンチ)、棚はオーダーメイドで仕上げました。知り合いの方で頼まれればなんでも作るという手仕事の得意な方に相談したら、「とにかく安くね」と、余った廃材などを使い仕上げてくれました。大きい机に、木製のベンチが2台設置されていて、打ち合わせも快適になりました。






一通りオフィスが出来上がりました。実際に使ってみると以前に比べとても集中して仕事ができるようになりました。裏手は山、横の窓からのは集落の里山の風景が見れます。とても静かで、癒される仕事場です。

最近あまり仕事のことをこのブログでは触れてきませんでしたが、私は移住してすぐに道の駅で働き、1年半後に独立して「地域に貢献するデザインプロデュース会社」を作りました。

能登に来る以前は、東京の小さな広告代理店でデザインの仕事をしていました。道の駅で働いていた時も、商品パッケージのデザインやPOP、チラシ、ウェブ製作などを店長の役職の合間にしていました。そして退職と同時にポツポツと地域の方々からの依頼が入り、今では口コミで絶えずお仕事をもらっています。

もともと東京でしていた仕事を田舎でするつもりでいなかったし、そもそも需要もないと思っていたのですが、デザインという仕事は田舎でも多岐にわたり沢山あるのだなと今は実感しています。

事務所の内装はある程度目標を達成しました。あとは外に看板などを作りたいなと思っています。会社のホームページもまだ作っていませんし、まだまだやることが沢山ありそうです。





2014-10-30

秋の日




奥能登
秋の日の風景。







青く澄み切った秋の空
温かい陽の光。

その心地よさに目をつむると
ふと吹いた冷たい風が頬をなで
次の季節の知らせをはこびます。







2014-10-11

フレンチレストラン L' Atelier de NOTO



輪島に新しくフランス料理の店ができたので行ってみました。実はオープン前に縁あってシェフとお話する機会があり、オープンしたらぜひ行ってみたいと思っていたのです。

レストランの名前は「L'Atelier de NOTO : ラトリエ・ドゥ・ノト」。シェフの池端さんはフランスで修行経験のある方で、生まれ故郷の輪島に戻り、今年9月にお店をオープンしました。

朝市通りから少し離れた場所にあるお店の外観は純和風の木造家屋で、一見してフランス料理を出すお店とは思えません。実はこの建物はかって輪島塗の工房として使われていた建物。フランス料理のイメージで店に向かうと、視界に入らず通りすぎてしまうかもしれません。

店内に入ると和室の客間が目に入りました。その部屋を横切るとモダンに仕上げられたテーブル席に案内されます。お出迎えしてくれたウエイターの接客は、一流ホテルのレストランの様に見事でした。






食事は地の魚や肉、野菜を使った料理で、新鮮な素材を絶妙なソースと絡めて頂きます。美しい盛り付けは流石フレンチ、見慣れた食材もなにか新しいモノへと生まれ変わった様に見えます。



オープン前にシェフにお話を聞いた時に強く胸に響いたのは、「フランスには地方の田舎に三ツ星レストランがあったりします。そのレストラン一軒がきっかけとなって、その地域が活性されるんです。能登にもそのポテンシャルは十分とあると思うんですよ。」という話。

その土地で採れた新鮮なものをその土地で食べる事は一番の贅沢であり、しあわせな事なのかもしれません。地元の人にとっては当たり前の風景や恵でも、都市部に住む人々には新鮮な物に写る事があります。美味しい食材と、美しい風景のある場所に腕のあるシェフがやって来て、地の食材を使うことで生産者にも利益が還元され、ホテルなどの施設なども充実していく。そんな一つのきっかけで、今まで当たり前だったことが価値あるものへと変化していくのかもしれません。

能登には価値ある素材は沢山あるので、あとはそれを形にしてくれる方々がもっともっと増えればと思います。



L' Atelier de NOTO
ラトリエ・ドゥ・ノト


2014-09-28

稲刈り


もう美味しい新米が食べれる時期になりましたね。

先日、春に田植えした稲を刈に
東京からのらガールスとのらボーイズがやって来ました。









もう何年も能登で田植えと稲刈りしている皆さんなので
あっという間に片付けてしまいました。

吸い込まれるような秋の空。
最後ははざを前に皆さん地べたに寝転がりはじめました。

こんな一瞬がとても贅沢な時間なのかもしれません。

今度皆さんと合うのは田植えの時期。



2014-09-13

そのままの魅力


二年ぶりにポーランドからお客さまが珠洲に来ました。二年半ほど前のある日、ポーランドで日本語を教える先生が私のブログを見て、「ぜひ私の生徒をそちらに送りたい」と連絡を頂いたのが切っ掛けで、ポーランドから生徒が来るようになりました。

東京や京都を見ることでJAPANを感じる事もできますが、奥能登の様な地方の生活文化もまた、リアルなJAPANを感じることの出来る場所だと思います。

今回は3泊4日で我が家に泊まり、奥能登を案内しました。蛸島町のキリコ祭り体験をメインに、酒蔵見学、輪島塗の伝統に触れ、奥能登の美しい里山里海の景色に魅了された旅となりました。














日本人以上に、外国から来る人のほうが、伝統的な文化に興味を示します。能登のそのままを見せることでも、十分に外国人にも魅力あるコンテンツになるのではないでしょうか。




2014-08-12

能登の夏



先日は東京からお客さまが来て、能登をご案内しました。能登にはまっている農楽女子の方々。田植え、稲刈りだけでなく、夏の能登も見てみたいという事で、今回は夏を満喫する能登の旅となりました。

旅の行程はこんな感じです。

田んぼ観察 → しおカフェ → 小さなおうち(ランチ)
木ノ浦の海水浴場(シュノーケリング) → 海と夕陽を眺める
かつら寿司で旬のノドグロを堪能する → 黄金岩牡蠣の漁師に話を聞く
大きな大きな黄金岩牡蠣を食べる → ハイディワイナリーを尋ねる(門前)

を二日間で巡りました。












ノドグロの旬は冬ではなく夏だそうです。
黄金岩牡蠣は夏しか食べれないプレミアムな天然岩牡蠣です。

透き通った海にも潜ると、小魚やウニ、サザエが見えました。
夕日を前にしばし皆無言になる時間が新鮮でした。

贅沢な場所
贅沢な時間

能登の夏は魅力が沢山です。





2014-08-08

祭りの国

能登は今各地で祭りが行われています。能登といえば祭りの国です。能登を語る上で祭りは避けて通れません。




珠洲では10月初旬までどこかの地区で祭りが行われています。
能登のエネルギーの源は、この祭りから沸き上がっているのでしょう。