2014-05-27

移住と仕事 オフィス作り

現在自宅にオフィスを作るべく、道具や材料を揃えていますが、なかなか進んでいません。今までは自宅二階の寝室兼仕事場でなんとかきり抜けてきましたが、仕事も軌道に乗り始めもう限界が来ています。



よく田舎への移住に憧れる方に聞かれる質問で「仕事ありますか?」と聞かれます。これはなかなか難しい問題で、簡単には答えられません。私みたいにフリーで働くのであれば、好きな道で食べていけるかもしれませんが、それもそう簡単ではありません。

「最初の一年は我慢、そこで諦めたら終わり」とフリー(自営業)でやっていく決断をした時に、人生の先輩方から言葉を頂きました。実際、流れとしてはその通りになり、最初の一年は「ヤバイ、食べていけん」となり、その後は「あの時諦めないで良かった」と思うようになりました。田舎だろうが、都会だろうが、人生そんなに甘くないなと...。

そもそも、私は安易に「田舎の仕事は農業だけ」みたいな妄想で能登に来てしまいました。来てみてわかったのは、農業だけで暮らしている人は想像をはるかに超えて少なかったこと。いたるところ田んぼだらけ、畑だらけでも、専業農家といえる人々は実際のところとても少ないのです。




結局、私は東京でしていた職種を、能登でもしていますが、以前と比べるとやりがいのある仕事に変わったと思います。同じ職種でも東京では「デザインをすること」だった仕事が、能登では「つたえること」が仕事になっているように思えます。

今はともかく早くオフィスを作り、次のステップを踏み出したい気持ちでいっぱいです。




2014-05-20

田植えの旅 from Tokyo

今年も田植えの時期が来ました。そしてその時期に毎回会う人達がいます。東京で暮らす女子達向けに行う田植えの旅。毎年同じ人達が来てくれます。

今回の行程はこんな感じ

<一日目>
 上黒丸でイベント参加(インド人と交流)= 金蔵で田植え = 銭湯で落語会 = 珠洲のお寿司屋で食事

<二日目>
まるやま組参加 = 谷川醸造見学














東京の大学を卒業し春から珠洲に移住した子も参加してくれました。只今能登に移住を希望し、人生の決断を模索してる女の子も参加してくれました。この子たちのお話はまた別の機会に紹介できればと思います。

みなさん必ずしも田植えが目的で参加されるのではなく、そこから生まれる人との結び付きや、言葉では言い表せない、能登の空気を感じに毎回遠くから来てくれるのだと思います。

何かが生まれる「きっかけの場」をこれからも築いていけたらと思います。





2014-05-13

空き家とトイレのこと

今の家に引っ越して丸5年、先日念願のトイレのリフォームをしました。築40年ほどの我家は古民家という感じではなく、昭和の雰囲気漂う家といった感じ。生まれた時から水洗トイレが当たり前、そんな私と年齢の近いこの家に設置されているトイレは、水洗ではありませんでした。

引っ越し当初はこのボットン便所にとても馴染めませんでした。和式ということもあってか、結局5年たってもこのトイレには馴染めず、意を決してリフォーム業者に見積依頼をお願いしました。結果、自分の想像する金額より大分安く施工してくれることが判明し、さっそくお願いして直してもらうことになりました。



いろいろな事情で水洗トイレには出来無い為、洗浄の際はコップ一杯分の水が流れる、簡易水洗専用の便器を取り付けました。見た目は今どきの便器と変わりませんが、便器の中に水が溜まっているものではなく、底には蓋が付いています。この蓋は排泄物の重みで下に開き、それが落ちると蓋が閉じる仕組みです。

和式ボットンと比べると、ボットン穴が塞がれ排泄物が見えなくなり、清潔感が格段に上がりました。何より座って落ち着いてトイレが使えるし、お客様、特にお年寄り、外国の方が来ても安心して使える様になりました。

デメリットは便器内に水がはらない為、汚れが付きやすい事でしょうか。ただ、大きい方をする時はトイレットペーパーを先に便器内に落とす事と、タンク内に洗浄剤を入れることで、これらの問題は対処できます。

またトイレの利用の際に洗浄水が流れるので、くみ取り費用が上がると思います。3ヶ月に一回、決まった日に業者が汲み取りに来ます。今までは一回4〜5千円掛かりましたが、今後は多少金額が上がると思います。

匂いですが、以前のトイレでよくお客さんに驚かれたのが「ぼっとんなのにまったく匂いしないね」だったので、リフォーム後も匂いはしません。ほとんどの田舎のボットン便所の外には、煙突とその煙突の先にモーターファンが付いていて、これが結構強力に吸い上げているので、元から匂いの心配はありませんでした。ただ、停電の際はファンが止まるので、匂いが上がってきます。リフォーム後は穴に蓋がついたので、停電でも大丈夫かもしれません。



施工業者に相談した時に見せてもらった、簡易水洗専用のカタログは、非常に興味深いものでした。というのも、以前ネットで簡易水洗について調べた時は、あまり有益情報が出てこなかったからです。てっきり圧倒的に需要がないのかな?と思っていたところに簡易水洗専用で作ってる業者があることに驚きました。

NEPON  http://www.nepon.co.jp/ek/    
簡易水洗カタログ(PDF)  http://www.nepon.co.jp/pdf/ek/all.pdf

今回、施工業者にお願いし、自分でネット購入した東芝製の洗浄便座を施工の際取り付けてもらいました。サービスで見積もり内でやって頂きました。NEPON社の簡易水洗便器は通常の便器と同じ規格らしく、ほとんどのメーカーの洗浄便座が取付可能なようです。


「田舎のトイレ事情」

移住を決めて今の家を探している時、「市街地から離れたとこで、水洗トイレの物件はあまりない」とはっきり言われました。その理由はいくつかあります。

・田舎は下水道が通っていないことが多い(住宅密集地、中心地、市街地を除く)
・都会より水洗化が遅れていて、空き家など古い物件は改修していない
・ボットン便所に対する人々の抵抗が、都会の人と比べると少ない

では地域の人はみんな汲取式便所なのかというと、必ずしもそうではありません。合併浄化槽という、排水や汚水を綺麗にする装置を設置して、見た目は水洗と変わらないトイレを使われている方が多いのです。ただコレを設置する費用が高く、ランニングコストがとても高いように思います。

珠洲市合併浄化槽 http://www.city.suzu.ishikawa.jp/seikatukankyo/gappei_joukasou.html


なにより、空き家物件を利用する移住者は賃貸契約がほとんどです。持ち家でない建物に何十万、何百万と設備投資するのは普通ありえません。さらに、もともと安い家賃で貸して頂いてるのに、大家さんに負担を求めるのも無理な話です。

空き家物件で必ず問題になるのが水回りだと思います。賃貸契約という環境で、自分がどこまでならお金を掛けて改修できるか?ここはとても悩む部分です。

最後に参考として簡易水洗に掛かった費用を明記しておきます。地域や業者に寄って金額が変わりますが、多少なりとも参考になればと思います。



・トイレ改修費(水道管設置、便器設置、壁取付け、電気配線工事)¥210,600(税込み)
・洗浄便座購入費 TOSHIBA製 ¥16,800

*珠洲市空き家改修補助金(上限50万円 1/2補助)*改修工事前に相談、申請が必要
http://www.city.suzu.ishikawa.jp/kikakuzaisei/inaka_g_00.html