ポストを見ると地元の小学校から届いた封筒が。中を開けると、子供達が書いた感想文が入っていました。この間小学校の授業で、私が特別講師としてお話しした時の感想が、そこにはぎっしりと書かれていました。
珠洲市の小学校は人口減少と共に合併される学校が多く、1学年1クラスは珍しくない状況です。授業では、珠洲に来た切っ掛け、珠洲の里山里海の美しさ、伝統の奥深さ、そんな事を語り、さらに「受け継がれてきたもの、語り継がれてきたもの」が今なくなろうとしている事、この地で「なんでもない風景や風習」が、外の人達、外国の人達に注目を集めている事などを話しました。
ほとんどの子供達は中学卒業、高校卒業を期に、珠洲を離れて行きます。昔は珠洲にいても、十分暮らして行ける時代がありましたが、今は変わってしまいました。地方の今の現状を親として見れば、そとの世界へ言って何に不自由なく暮らしてほしいと願う事は、しごく真っ当な想いだと思います。
せめて彼らが大人になった時に、珠洲の良さを声を大にして語れるようになってくれれば、との想いもあり講義をしました。
頂いた感想文には沢山の言葉があふれていました。
全部は紹介出来ませんが、一部書き出してみます。
「珠洲市の良さを知らない人に教えてあげたいです」
「私はこんなこんな景色のいい自然のある場所に生まれてよかったと思いました」
「もう一度珠洲のすてきな場所を見つけようと思いました」
「大人達がいなかに住みたいということを聞いて、すごくうれしかったです」
「キリコがある珠洲に生まれて良かったなぁと思いました」
「いま都会に憧れてるけど、実際に行ってみたら、ここの良さがわかるのでしょうか」
「一番珠洲で好きなことは祭りです。みんなの心が一体になって楽しいから」
今回伝えた事が、頭の片隅に少しでも残ってくれれば良い思います。代々この地に受け継がれて来たものを、どういう形で次の世代へ残してあげられるかを考える...、だけではなく、そろそろ何か実行に移さなければいけない時期に来ています。