2014-07-30

土と心尽くし



この時期は夏野菜が豊富に採れる季節です。移住のよくある話として「玄関に野菜が置いてある」なんて話が定番ですが、これは本当によくある出来事です。

兼業農家、出荷しないが畑で野菜づくりをしている人、そんな近所の方々が野菜を持ってきてくれます。売る目的でない方々は、自分が食べる以上の量の野菜を作っています。欲しい、と言えばいくらでも貰えるという、とても贅沢な環境です。

貰うばかりだと申し訳ないので、たまに海の物を頂いたり、お酒を頂いたりしたらそれをお返しにしています。ただ「もらってばかり...」と心配することはありません。ここでは日常茶飯事のこと、しっかりとその野菜をくれる方々とコミュニケーションがとれていれば問題ありません。

もし地域に貢献するような何かをしていれば、陰ながらそういうことを応援してくれています。「あんたよく頑張っとるな」と野菜をもらう時に言葉を頂いたこともあります。そういうモノ以外の事でもお返しは出来るのです。



田舎のおじいちゃん、おばあちゃんは炎天下の夏でも、熱い時間帯を避け熱心に畑仕事をしています。野菜づくりもそう簡単ではありません。

「嫁いだ時は仕方なくやっていた畑仕事だけど、歳取ると土いじりが不思議としたくなる」

そんな事を聞いたことがあります。私もそんな境地にたてるような年のとり方をしたいものです。




2014-07-16

能登の吸引力

5月下旬に行った田植えに参加できなかった東京に住む女子2名から、「草刈りします!」という連絡が来たので、「田んぼの草刈り&能登の旅」という形で能登に来て頂きました。

出だしは怪しい雲行きだったのですが、徐々に回復していき、最終的に青空が広がりました。










田んぼの草刈り、輪島の「蔦屋漆器店」でお昼を食べながら女将さんとお喋り、潮風よけの間垣がある集落を見たりしました。

「また稲刈りの時に!」と言い残し、二人ともエネルギーを沢山充電して東京へ帰って行きました。毎年能登に来てくれる女子達。また行きたい、そう思わせる不思議な力が能登にはあるのです。



2014-07-14

能登の里山 メキシカンでイングリッシュなパーティー

書くことは沢山あるのに慌ただしさの中更新が遅れてしまいました...。6月下旬にメキシカンパーティー&ほたる鑑賞に行ってきました。

友人のキャロラインさんのお宅でメキシカン料理のパーティーが行わました。私もキャロラインさんも「メキシコ料理が食べたい!」と、会う度に言っていたのですが、やっと今回実現することになりました。

切っ掛けは能登で英語教師をしているオリバーさんが料理好きで、しかもメキシコ料理を作れるということで、それでは!という事で決まったようです。そしてキャロラインさんの英語教室に通う生徒も参加して、能登の里山で英語オンリーなパーティーとなりました。




パーティーの後はみんなで、ホタル鑑賞会に参加。
上黒丸地区の北山にあるホタルの森でゆっくり蛍鑑賞をしました。



私がアメリカに住んでいた頃、よく近所のメキシコ料理のレストランに行っていました。アメリカテイストのファストフード的なお店から、店員が英語を喋れず、お客さんもメキシコ人オンリーな本物のお店まで、色々とよく通いました。

肉と豆、チーズ、とうもろこし粉で作る生地、そしてスパイシー味付けで作るのがメキシコ料理の定番スタイルでしょうか。今回のパーティーではチリビーンズにトルティーヤチップス、そしてアボカドのペーストであるガカモレを食べました。



帰国して東京で暮らしていた時より、能登で暮らしている今の方が外国の方とのお付き合いも多くなり、英語も沢山話す機会が増えています。時々なんだかそんなことが不思議に思えてきます。





2014-06-30

草刈り



「やるかぁ〜」


近所に住む元区長さんが来て我家の周りと、耕作放棄地となった畑の草刈りをしてくれました。当然私も草刈機を持ってお手伝い。ん?いや、というか元区長さんの方がお手伝いしてくれてるのか...。

Before

After


もともと借りている家はすぐ裏に庭付き付きならぬ、畑が付きの物件でした。しかし引っ越して以来まったく手を付けずにいて、毎年春を過ぎると雑草だらけになってしまうのです。

都会に住んでいる人は「草刈り」を知っていても、どこかそれは自分がやるものという認識はないと思います。自分の敷地に雑草など生えていないだろうから当たり前です。珠洲では逆に草の生えないような物件を探すのが難しいので、この「草刈り」という行為は春夏の次期には避けては通れない作業になります。

刈る草は背丈の短い次期に刈らないと、のちのち面倒な事になります。放っとくと人の背丈にまで大きくなるので、その時に草を刈ろうとすると、短い草の時よりも何倍も労力になってしまいます。

そして移住者がよく心得て置かなくてはならない事は、草を刈らない人(家の周りを管理できない人)は、だらしがない人、と集落の人々に思われてしまいます。田舎では地域の団結力が都会と比べ、強い結び付きを保っており、皆で集落を綺麗に管理しようという意識がもの凄く高いのです。

人との関わりがうるさくない田舎でのんびり...なんていうのは幻想ではないでしょうか。実際のところは、都会より人との結び付きが密になります。しかし、その関わりは都会とは違い田舎ならではであって、決して面倒なものではないと思います。むしろ田舎に住む私は「ひと」が好きになり、この美しい里山里海を代々守ってきた人々にとても感謝しています。

今年の草刈りはこれで2回目。今度はまわりの人に心配される前に自分で全部やらなくてはいけません。




2014-06-12

視点



昨日の夕方、打ち合わせ前に犬の散歩に行こうと納屋に行くと、スズメの子が一匹地面で鳴いていました。どうやら天井の巣から落ちてしまったようです。もうすぐ巣立ち間近の生きている子スズメ、そのままにしておくには忍びないので巣に返してあげました。





雨だというのに餌を探しに行く親鳥を関心して雨空を見上げてると、我家の前の柿の木と、梅の木に沢山の野鳥が雨宿りしているのに気づきました。5,6種類、15匹以上いそうです。さらに雨雲の上空を見上げると、トンビやサギが飛んでいました。

改めて自分の住んでいる環境の凄さに関心しました。その一方で、なんで今まで気づかなかったんだろう、という思いも込み上げてきました。

同じ環境、景色でも、視点の持ち方でその世界は変わっていくのだなと思いました。出来るだけ沢山の視点の切り取り方を教えてあげれるような、そんな人になりたいと思うのです。



2014-05-27

移住と仕事 オフィス作り

現在自宅にオフィスを作るべく、道具や材料を揃えていますが、なかなか進んでいません。今までは自宅二階の寝室兼仕事場でなんとかきり抜けてきましたが、仕事も軌道に乗り始めもう限界が来ています。



よく田舎への移住に憧れる方に聞かれる質問で「仕事ありますか?」と聞かれます。これはなかなか難しい問題で、簡単には答えられません。私みたいにフリーで働くのであれば、好きな道で食べていけるかもしれませんが、それもそう簡単ではありません。

「最初の一年は我慢、そこで諦めたら終わり」とフリー(自営業)でやっていく決断をした時に、人生の先輩方から言葉を頂きました。実際、流れとしてはその通りになり、最初の一年は「ヤバイ、食べていけん」となり、その後は「あの時諦めないで良かった」と思うようになりました。田舎だろうが、都会だろうが、人生そんなに甘くないなと...。

そもそも、私は安易に「田舎の仕事は農業だけ」みたいな妄想で能登に来てしまいました。来てみてわかったのは、農業だけで暮らしている人は想像をはるかに超えて少なかったこと。いたるところ田んぼだらけ、畑だらけでも、専業農家といえる人々は実際のところとても少ないのです。




結局、私は東京でしていた職種を、能登でもしていますが、以前と比べるとやりがいのある仕事に変わったと思います。同じ職種でも東京では「デザインをすること」だった仕事が、能登では「つたえること」が仕事になっているように思えます。

今はともかく早くオフィスを作り、次のステップを踏み出したい気持ちでいっぱいです。




2014-05-20

田植えの旅 from Tokyo

今年も田植えの時期が来ました。そしてその時期に毎回会う人達がいます。東京で暮らす女子達向けに行う田植えの旅。毎年同じ人達が来てくれます。

今回の行程はこんな感じ

<一日目>
 上黒丸でイベント参加(インド人と交流)= 金蔵で田植え = 銭湯で落語会 = 珠洲のお寿司屋で食事

<二日目>
まるやま組参加 = 谷川醸造見学














東京の大学を卒業し春から珠洲に移住した子も参加してくれました。只今能登に移住を希望し、人生の決断を模索してる女の子も参加してくれました。この子たちのお話はまた別の機会に紹介できればと思います。

みなさん必ずしも田植えが目的で参加されるのではなく、そこから生まれる人との結び付きや、言葉では言い表せない、能登の空気を感じに毎回遠くから来てくれるのだと思います。

何かが生まれる「きっかけの場」をこれからも築いていけたらと思います。