「田舎に移住して日々の日常に不便なことはないですか?」
よくこんな事を取材などで聞かれることがあります。取材する側からすると、田舎暮らしの良いとこだけ書くわけにはいかないので、最後の質問で聞くのでしょう。ただ、この質問、毎回すっと答えが出てきません。私自身、正直あまり普段ここでの暮らしに不便を感じてないからです。毎回聞かれるので、何か決まった答えを選んでおこうと思うのですが、あれこれ悩んだ末に絞り出す感じなので、なんだか無理やり答えてるようで、しっくりこないのです。
”移住して7年、正直な話、田舎暮らしで不便を感じたことがないのです”
あったとしても、記憶からすぐになくなってしまうような、しょうもないこと過ぎて、あえてそれを声に出して言うことでもないような話がほとんどです。
「どんなとこが不便じゃないですか?」
ともし聞かれたほうが断然喋りやすいのですけどね。
<日用品の買い物事情>
私の住む珠洲市は能登半島のさきっぽという地図で見ると辺境の地に思われるかもしれませんが、スーパーが3軒、ドラックストアーも3軒、24時間営業のコンビニは4軒もあり、我家は田畑や森に囲まれた場所ですが、それらのお店に行くのは車でだいたい片道15分以内でいけます。珠洲の中心街から離れた集落でも、おそらく片道30分あれば行けると思います。
魚などは地元で朝捕れたものが並び、都会から比べると格安価格で買うことも出来ます。生鮮食品以外はドラックストアーで買います。チェーン店なので、都会と同じ価格で買うことが出来ます。コンビニは24時間やってますので、ここぞという時に活用しています。
<日用品ではないもの>
これはネットで買い物をします。大体のネットショップは当日午前中に頼めば、翌日には届くところが多いです。家電量販店などはないので、その手のものはネットで購入します。大型家電もネットで購入しました。取り付けが必要な家電は業者が来てくれます。
極稀に珠洲よりちょっと都会なお隣の市に出かけたり、2時間かけてモールなどに出かけることがありますが、これはちょっとした遠足気分で行く感じです。
<病気になったら>
市内にりっぱで大きな総合病院があります。緊急の場合はそこへ行きます。そこで間に合わないような事があれば、もう少し都心部に行かなくてはなりません。最先端の医療を〜、と言い出したら流石に田舎では無理でしょうね。
日用品の買い物に関してはほとんど困ることは無かったです。特にネットを活用すれば都会との格差を感じることはありません。流行りのお店でご飯を食べたい、とかになると都市部に行かなくてはいけませんが、普段から新鮮な野菜や魚を食べているので、食に関しては基本的に充実してると思います。
もちろんこれらの事は「都会と同じ生活水準をおくれる」で語っているのではなく、「最低限のものはある」という事です。生活する上での「最低限のもの」は、人によってイメージが違うでしょう。ただ、都会から田舎に移り住む人々は、基本的にシンプルライフを求めています。都会の生活で当たり前に周りについてくる過剰サービスや、便利という名の思考停止な生活、そんな「当たり前」を一度見直すには、田舎の生活はとても豊な暮らしのように思えます。