2012-01-08

SHOKUTAN 「横山海水とうふ」


今日は能登半島の先端に近い横山地区の新年会におよばれされ、海水とうふを味わって来ました。地域の女性達が集会所に集まり、みんなんで一致団結して豆腐とそばを作っていました。

今回は能登の浜で汲んできた清らかな海水を使う「横山海水とうふ」を紹介します。


一日水につけておいた大浜大豆(地大豆)を石臼で挽き(現在はミキサーを使う)呉汁を作る。呉汁を布に入れ竹の台の上で力を入れて揉んで豆乳を搾り出す。絞りやすくする為に時折水を布にかける。


搾り出した生の豆乳を鍋でゆっくり沸騰させる。丁寧に灰汁を取りながら、吹きこぼれそうになった時に、冷めた生の豆乳を入れ吹きこぼれを防ぐ。沸騰し豆乳にまんべんなく火が通ったら、海水を入れる。海水はその日の朝に海でとって来たものを使う。横山地区では豆腐を作る為に必要な、”キレイな海水を汲む場所"が昔から決まっている。


海水は様子を見ながら女性たちの”感”で入れていく。入れたら直ぐにへらでかき混ぜて様子を見る。凝固して表面に水が出てくる当たりを見極めて火を止めて蓋をし、20分程度置いて2次凝固させる。


お年寄りがいたので話を聞くと、おばあちゃんの、そのまたおばあちゃんの時から、ずっとこうして海水とうふを作ってきたと言っていた。

温かい海水とうふはホロホロとしたおぼろ豆腐で、微かな塩味の中に豆の甘みをぐっと感じる味がする。

ここ珠洲では昔から製塩業が盛んな場所で、にがりも比較的簡単に手に入ったはず。そんな土地にも関わらず、なぜ海水を使用するのかが興味深い。きっと塩もにがりも貴重なもので、庶民には手に入らかった時代があったのかもしれない。また、海水ならではの塩味を好んだとも考えられる。


地元で採れた在来種のそば粉を使ったお蕎麦も絶品だった。能登にはまだまだ美味しい食材が眠っていると改めて感じたのでした。


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