2011-09-30

能登の魅力を満喫するメニュー

あらら、今日の珠洲は朝から雨です。このブログのユニークアクセス(訪問者数)はカンカン照りの様にすごいことになっています...。

以前WebR25さんに載せてもらった記事が、本日ヤフーのTOPページに載っていたからみたいです。お〜ヤフーってすげ〜...、って人事じゃぁありません^^;

さてさて、この間行われた能登Lifeツアー、能登の里山里海文化につながる3つの体験メニューを用意していたので今回くわしくご紹介します。


★まず一日目の「たこすかし」能登に伝わる伝統漁法。


秋、この時期になるとタコが浅瀬にやってきます。それを狙って2つの竹の棒でたこを捕まえるのがこのたこすかし。棒の先端にタコが餌と間違えるような目立つ布や、カニの形をした疑似餌が付いていて、まずこれで岩の下に隠れたタコをおびき寄せます。騙されて餌に飛びかかってきたところを、今度は針の付いたもう一つの棒でぐいっと引っ掛けてタコを捕獲します。


「きゃー!」っと女子達は捕まえたタコを手で取ろうとしません...。仕方ないので男性陣が手で捕まえると真ん中にある口で噛まれました...。噛まれても跡が付くくらいで、大したことではないですが。

最終的に7匹のタコを捕まえて今日は大漁でした。捕獲したタコは珠洲特産の珪藻土七輪で焼いたり、たこ焼きにして食べました。能登では山でも、海でも取ったものはありがたくその日に頂きます。これ、すごく贅沢な暮らしです。


このたこすかし、大人でも夢中になって時間を忘れてしまうほど面白いんですよ。奥能登の海は透明度も高くてキレイだから、一部参加者は泳いで遊んでたりしてました。青空とすばらしい海の景色に参加者も心身ともに癒されたようでした。



★二日目は減農薬の稲刈り、はざぼし


輪島市の金蔵という能登の里山の原風景が残る集落へ。実はこの田んぼの稲は、春のツアーで参加者が手で植えたものです。当たり前の様に機械化が進む日本のコメ作りですが、この田んぼの米は、あえて手間のかかる方法で栽培したものです。科学肥料を一切使わず、牛糞とごくわずかな除草剤のみで作りました。


この日はなんと特別にエチオピアから来た外国のお客様も飛び入り参加!すっかりこの場所が気に入ったらしく、国に帰ったら早速ビザ取って今度は移住したい!っと言っていました^^; 本当に移住したら面白い事になりそうでワクワクします。


午後は刈った稲を縛って、はざに掛けてゆきます。通常は機械の温風で米を乾燥させるのですが、今回は天日干しにします。このほうが米の味が落ちず美味しくなるのです。

朝8時半から始めた作業も終ったのは夕方5時頃でした。みんなへとへとになったようですが、清々しい顔をしています。このあとみんなで近くの温泉へ行き、夜は美味しい郷土料理を食べて盛り上がりました。

乾燥して精米したお米は後日参加者にお届けする予定ですので、楽しみにしていて下さいね。


★三日目は「蔦屋」さんで輪島塗講座

輪島塗漆器は能登を代表する伝統工芸の一つです。蔦屋の女将大工さんは”飾る漆器ではなく、日常で使う漆器”を提唱されている方です。


まずは地元で採れた新鮮な食材を使った料理を、輪島塗の漆器にみなさんで盛ってもらい、その漆器を使ってみんなで料理を頂きます。熱々の鍋料理もお構いなく輪島塗のおわんに入れてゆきます。この日は輪島でとれた新鮮な魚介類を入れた鍋と、カマスのフライ、能登栗のおこわなどを頂きました。

毎度のことですが、大工さんとこの料理は激うまでスタッフの私も幸せ。


食べた後は漆器を洗います。ぬるま湯で普通の洗剤で洗います。えっ?洗剤で洗っていいの?と思われがちですが、実は大丈夫なんです。

むしろ輪島塗は使えば使うほどに味のある色合いになるんです。毎日使って、長く使ってあげることで輪島塗漆器も輝きが増すんだそうです。


午後からは引き続き大工さんの家で沈金講座を開きました。伝統工芸として長い歴史愛され続けた輪島塗りですが、近年後を継ぐ人々が減ってきています。特にこの沈金の技法に限っては高齢化が進んでいるそうです。

そんな中で若手のホープとして活躍してるのが芝山さん。輪島塗の加飾技法を継承し、またその伝統を広める活動もしています。今回は特別に講師としてお招きしました。


まず輪島塗のプレートに特殊なノミで傷をいれて絵を書いてゆくのですが、これがすんごく難しい。輪島塗の表面がつるつるしていて、なかなか傷が付かないのです。

斜め45度にノミを正確に入れないと模様を描けません。みなさん苦戦している様子でした。


塗装をはがして出来た傷に金粉を入れて色をつけてゆきます。この作業は芝山さんにお任せ。参加者の注文に応じて次々と色を入れてゆきます。なんと芝山さん、素手で漆を触って塗ってゆきます。「馴れですよ」と一言。わぉ。


傷で模様を描いたプレート。この作品はお茶菓子を乗せるのに使うと参加者が言っていました。なかなかの力作!


みなさんの作品が完成。色が定着するまで一日は触ってはいけないそうです。みなさん輪島塗の奥深さと、魅力にどっぷり浸って頂いた様子。

身近な漆器の世界をみなさんに感じてもらえたようで、企画したかいがありました。


石川県の飛び出た半島にある能登は非常にユニークな文化が残る場所で、近頃日本で初めて佐渡と同時に世界農業遺産にも指定されました。

もっともっと能登の楽しさを皆さんにお伝えできるよう、これからもこのような交流企画を続けて行きます。

冬の能登も楽しいよ〜



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