先週に
ゆうか庵さんから「なれずしの桶を開けるから来ない?」と電話があったので、本日早速行って来ました。
お茶菓子に出てきた「日本柿のきなこかけ」にびっくり。激うま!すごい発想力!!
熟した柿にきなこが口の中で合わさってハーモニー。ゆうか庵のお父さんは子供の頃、コメの粉をふりかけて食べたそうです。それをゆうか庵のおかあさんがアレンジして、きなこに変えたそうです。
これ、ご家庭でも簡単に出来ます。じゅくじゅくな柿の苦手な私でもぺろりと食べてしまえます。
あらら、本題からズレました(汗)
ゆうか庵のおばあちゃんの、そのまたおばあちゃんの時代から、代々この「なれずし」を作っています。
なれずしは魚を発酵させた保存食。寿司の原型とも言われています。なれずしには大きく分けて二種類あって、浸け込み時間が短くコメと一緒に食べる「なまなれ」と、長期間漬け込んで、コメの乳酸発酵によって浸け込む「ほんなれ」にわかれます。
ゆうか庵で作っているなれずしは後者の「ほんなれ」になります。
このゆうか庵のなれずしは、アジ、コメ(ごはん)、唐辛子、木ノ芽、山椒、酢、塩水、で作ります。
麹は使わず、炊いたご飯を入れます。酢は樽に材料を入れるとき、ほんの少し手に馴染ませる程度使用します。全部素材を樽いっぱいに敷き詰めたら、最後に塩水を注ぎ込みます。塩水は梅雨時に一回だけ入れ替えます。漬け込み期間は3〜4ヶ月。それ以上漬け込むと深みがました味わいになるのだとか。
漬け込み方や、重し加減などで味が変わったりするそうで、柔らかすぎたり、匂いがきつすぎたりなど、作る人でなれずしの性格も変わるとのこと。
ここまで説明してなんですが、わたしはちょっと苦手系の味です。臭い系の珍味な味です。日本酒に会うので、お酒が好きな方は大好きな味ですね。
それにしても、魚が豊富な能登でなぜ、保存食のなれずしがあるのかちょっと不思議な感じもします。今より交通が不便な頃は、山側では魚が貴重だったからかもしれません。
能登にはまだまだ貴重な里山里海文化の中に伝わる食文化があります。ほんのちょっとだけそういったものを記録してゆき、「食探:SHOKUTAN」シリーズとして、今後も取り上げてゆこうと思います。